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<取材先>さとう埼玉リウマチクリニック 理事長 佐藤理仁

2016年に開業後、19年に専門であるリウマチ専門診療所としてリニューアルした、さとう埼玉リウマチクリニック。埼玉県外からも患者が来院する背景には、新たな検査方法の活用による早期診断・治療のスタンスがありました。

目次
01:プライマリ・ケアからリウマチ専門に方針転換
02:診療所経営から発展し他業界も含めた協働へ
03:Q&A 7問7答

プライマリ・ケアからリウマチ専門に方針転換


――2016年に開業し4年目に入られました。リウマチ専門診療所として、現状はいかがですか。

佐藤●ありがたいことに患者数は増加し、毎日1日の予約上限数の36人ほぼ埋まっています。

実は、開院時は「さとう内科ファミリークリニック」という院名で、内科・小児科も標ぼうしていました。集患への不安や、開業医としてプライマリ・ケアと専門のリウマチ治療で貢献できればと考えたからです。患者さんの割合はほぼ3割ずつでした。


ただ、次第に問題点が出てきました。一つは、リウマチの診療が話をしっかり聞き血液検査するなど、最低10分はかかる一方、内科・小児科の大半は3分程度で済む症状で、早く診てほしい患者さんには待ち時間が長くなり、不満が生まれました。

もう一つは、感染症の問題です。リウマチ治療では免疫を抑える薬も使うので、感染症に配慮する必要があり、患者さんにも説明していました。しかし、待合室を見ると、感染症の患者さんとリウマチ患者さんが同じ空間に待たなければならないことに後から気づきました。それなら専門のリウマチに特化しようと考え、昨年リウマチ一本に絞り、現在の院名に変更しました。

――専門特化する決断には、勇気が必要だったのでは。

佐藤●そうですね。ただ、2年目にはリウマチ患者さんの割合が約半分まで増えていたので、一時的な売上の減少はあるものの、長い目で見れば早く転換したほうが良いと判断しました。今は埼玉県外から来院される方もいます。


患者層は、50歳前後の女性が全体の8割を占めます。昔は高齢者の病気と思われがちでしたが、それは診断の遅れが原因で、50 代前後の発症時に診断がつかず、60 代以降に指が曲がるなど症状が進行して初めて、リウマチと診断されることが多かったのです。


当院では、関節エコーという検査を積極的に利用し、早期診断・治療に努めています。現在来ている勤務医も、この検査ができることが採用条件の一つになっています。というのも、ここ10年ほどで出てきた新しい手法なので、まだまだ普及していないのが実状なのです。リウマチの早期診断のためにも、普及に努めたいです。

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診療所経営から発展し他業界も含めた協働へ


――集患では、関節エコーなど診療面の特徴に加え、それらを発信するHPも、動画や漫画など見せ方を工夫されていますね。

佐藤●HPではリウマチに関する情報を多く載せるうえで、親しみやすさを感じてもらえるように、疾患説明なども語りかける会話調を意識しました。漫画も同様で、視覚的に頭に入りやすく、やさしい雰囲気を伝える狙いがありました。そのうえで、リスティング広告やYouTubeなど、HPに誘導する入口を強化しています。


実は、当初は経営知識がゼロで、野立て看板や駅、電柱広告、地元のフリーペーパーなども試しましたが効果がありませんでした。試行錯誤の結果、リウマチ患者さんはネット検索する方が多く、WEB広告が最も効果的だと、今の戦略に至りました。

――経営知識はどうやって学ばれたのですか。

佐藤●開業3年目から勉強するようになりました。その時期から、スタッフ同士が意見の食い違いなどでもめて辞める人が出てきたからです。最初は理由がわからず傍観していたのですが、よく考えると私がやりたい医療や理念をきちんと伝えていなかったから、現場がバラバラになっていたのだと気づきました。そこから1年ほど、本を読んだり、気になる研修やセミナーに参加したりしました。


一番勉強になったのは、有明こどもクリニックの小暮裕之先生が運営する「医療経営大学」です。診療所経営に役立つ知識はもちろん、マーケティングや異業種とのコラボといった新しい視点も学び、私も触発されて、ネイリストさんによる待ち時間中のネイルケアなどを始めることができました。自分の力だけではなく、異業種との協働で付加価値の高いサービスを提供できるように努めています。

Q&A 7問7答

Q1:自分の性格は?

素直です。「良いな」と思ったことはとりあえずやってみます。


Q2:自分の欠点は?

逆境には強いけれど、順調な時はテングになりやすいので気をつけるようにしています。

Q3:今はまっているものは?

経営の勉強。すべてが新鮮で楽しいです。

Q4:人生で最も影響を受けた人は?

7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィー氏。そして、それを応用されている小暮先生にもたいへん勉強させていております。

Q5:日課はありますか?

毎日、自分の安心領域を出る「ビビりチャレンジ」をしています。

Q6:座右の銘は?

ワクワクしていなければ、もっと大きな夢を持とう!

Q7:トップに必要な素養は?
感謝の気持ちです。患者さん、スタッフ、業者さんなど周りの人すべてに感謝してこそだと思います。


制作:㈱日本医療企画
(取材年月:2020年3月)


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PROFILEプロフィール

PROFILE

佐藤理仁(さとう・みちひと)

●昭和大学医学部卒業。昭和大学リウマチ膠原病内科、日本赤十字社医療センターアレルギー・リウマチ科、埼玉メディカルセンター膠原病内科などの勤務を経て、16年、さとう内科ファミリークリニックを開設しました。その後、19年に現診療所名に改称し現在に至ります

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