• Facebook
  • Twitter
  • LINE

<著者>日本クレアス税理士法人 大阪本部会長 上田久之

子ども人口の減少を背景に、歯科医院の経営環境は決して楽観はできないようです。しかし、成功している歯科医院が存在していることも確かです。勤務医の時から経営者目線を持つこと、自分の「ブレーン」となるような専門家とのつながりを持つこと、何よりスタッフが定着・成長する職場環境づくりに留意したいものです。

目次
01:歯科医院の年収
02:勤務医時代のスタンス
03:相談相手を待つ
04:経営は人に尽つきる

①歯科医院の年収

歯科医院の新規開業は全国で年間2000軒前後ありますが、人口が減少し子どもの虫歯は減る一方なので、歯科医院の所得は年々減少しています。

ところが、ある税務の業界団体の統計によると、歯科医院の年間診療収入の平均値は4800万円であり、医療法人に限ると1億1300万円となっており、決して悪い数字ではありません。

また当事務所で顧問をさせていただいている約300軒の歯科医院のうち、3割の医院が年間診療報酬7000万円を超えています。また2割の医院が、年間の所得が3000万円を超えています。

環境は厳しいですが、やり方次第と言えます。成功されている医院の見学や勉強会へ参加し、成功のヒントをつかみましょう。

②勤務医時代のスタンス

勤務医時代に歯学における診療技術を磨くことは当然ですが、将来、開業を目指すのなら、経営ノウハウも習得するように心がけることが大事です。医院やスタッフのちょっとした言葉遣いがきっかけで、患者さんとの間で起きるトラブル、古い内装、外観で患者さんが離れていくといったところを経営者の目線で観察していきましょう。

院長の感情の起伏が激しくてスタッフが定着しないといった問題を抱える医院も多く見受けます。

pixta_39510005_L - コピー.jpg

③相談相手を待つ

開業すれば、歯科医師としての業務以外にさまざまな経営者業務が付加されます。

例えば保険請求の仕方に問題があれば、診療報酬の返還や、監査への波及もあります。治療のトラブルで患者さんに訴えられることもあります。従業員の解雇の仕方を間違うと不当解雇で労働基準監督署のお叱りを受けることもあります。必要性の乏しい医療機器を購入して、返済負担がきつくなり一挙に月額必要収入が跳ね上がることもあります。

このような経営に纏わる諸問題に遭遇した時に頼りになるのが、経営に明るい先輩や同僚、各分野の専門家であり、ブレーンを外部に持つことが、安定経営のポイントとなります。

④経営は人に尽きる

開業後、間もない時期にスタッフが、次々と退職するといった事能は避けたいものです。多少費用と時間がかかっても歯科業界に詳しい社会保険労務士に相談して、労働法規が遵守されていないといったクレームを起こさないようにしなければなりません。

労務コストは上がりますが、厚生年金加入も採用のポイントです。「歯科医師会未入会なので、従業員には国民健康保険に加入してもらう」といったことは論外です。スタッフ採用の面では、医療法人のほうが有利かもしれません。

その他定期的なミーティングの実施で、院長が一方的に喋るのではなくスタッフが活発に発言をして、また外部研修への参加を推進しているような体制があることが、繫盛医院に共通しています。

監修:㈱日本医療企画

取材年月:20223


ランキング.jpg収入・費用.jpg2202208 サムネ - .jpg開業.jpg202208 サムネ - コピー.jpg

PROFILEプロフィール

PROFILE

日本クレアス税理士法人 大阪本部会長

上田 久之(うえだ・ひさゆき)

姫路西高校から神戸大学経営学部会計学科へ。在学中に公認会計士試験に合格。日本の四大監査法人の一角をしめる新日本監査法人を経て、1982年、大阪市中央区にて開業。MMPG全国会常務理事・元歯科部会長、日本歯科医療管理学会会員。

関連サービス

👉「リース」をお考えの方 シャープファイナンス(リース)

歯科ユニットから院内設備まで、あらゆる設備をリース、立替払にてご契約できます。リースであれば費用が平準化され、コストの把握が容易になります。リース、立替払いによる資金調達を検討されている方は豊富な取引実績がある(医科/22,000件、歯科/約28,000件)シャープファイナンス【芙蓉リースグループ】に是非ご相談ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE