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<取材先> 株式会社メディカル・エージェンシー・ジャパン(サニーウインググループ)代表取締役 皆川 敬


経済的な価値だけではなく、社会的な価値を同時に生み出すことが、経営者には必須と語る、株式会社メディカル・エージェンシー・ジャパン(サニーウインググループ)の皆川敬代表取締役に話をうかがいました。

目次
01:地域から必要とされなければ事業はうまくいかない
02:事業内容を広げ、職員のモチベーションにつなげる

地域から必要とされなければ事業はうまくいかない

――介護事業における経営とはどういうものだとお考えですか。


皆川●介護事業は公的な財源が入る事業ですので、我々のサービスが地域の資源になり社会貢献を生み出すようなものでないといけないと思っています。

そして、事業をしていくうえでは、事業活動を通じて社会的な課題を解決するという社会的価値と、利益を生み出す経済的価値を共に両立させる必要があります。

具体的に言うと、地域社会の高齢者のニーズに応えるサービスを提供して、サービス自体が社会の価値になり、社会的価値を生み出す対価として売り上げや利益といった経済的価値が我々に戻ってくるという仕組みをつくりあげていくことです。

当社のように地方都市で事業展開をしている場合、介護事業所が一つあると、そこで働く人が地域に住み、地域社会を構成していきます。会社の存在が、地域社会存続にもかかるという意識は、重要でしょう。

――社会的価値と経済的価値の両立を意識したきっかけは何ですか。


皆川●そもそも、事業は何のためにやるのかと言ったら、誰かのためになりたいと思ってやるわけです。
たとえば団子屋さんでも花屋さんでも同じです。そこを忘れて、自分たちの経済的価値だけを求めると、社会のニーズと乖離します。

これには、当社の苦い経験があります。6年ほど前、本社の近くにサービス付き高齢者向け住宅を建てようとしたところ、近隣住民の一部から強く反対されました。当社としては利用者の確保の見込みもあり、事業としての収益も出ると考えての計画でした。

しかし、反対されたことで、地域社会からサ高住は求められていなかったのかもしれないと理解し、開設は断念しました。自社の利益だけを考えてはいけない、ということを痛感した出来事でした。

その後、地域のニーズを拾っていった結果、ご用聞きサービスや移動販売といった介護保険外の事業を始めることになりました。もともとこれらは、当社の住宅型有料老人ホームの中で提供していたサービスです。

地域住民からも不用品の処理に悩んでいたり、スーパーが遠いといった相談が出たことから、地域での提供につながりました。地域からも広く受け入れていただいています。

この経験から、地域社会と密接な関係性を築き、持ちつ持たれつの存在になって信用されてこそ、我々のサービスが社会的価値をもつのだと理解しました。

介護事業者だからといって介護サービスを提供するだけでなく、介護保険制度からこぼれてしまうニーズにもきめ細かく応えていき、私たちが地域の高齢者のセーフティネットになろうと思いました。

介護39_サニーウィングPH1.jpgのサムネイル画像

移動販売車には多くの地域住民が集まる

事業内容を広げ、職員のモチベーションにつなげる

――自社の事業展開をどのように描いていらっしゃいますか。


皆川●利用者がどんな状態になっても、住み慣れた街で生活し続けられるようなサービスをワンストップで提供する、ということです。

一言で言うと、“高齢者のお困りごと解決ワンストップサービス”。我々が提供するサービスのひとつに有料老人ホームがあり、デイサービスがあり、訪問介護・看護がありますが、介護保険制度の内か外か関係なく、何か困りごとがあったら、サニーウイングに連絡すればすべて解決、というサービスをめざしています。

つまり、高齢者の困りごと解決ワンストップ市場という、新たな市場をつくり出したと考えているのです。

中小の事業者は、ニッチな市場で事業展開しなければ、生き残りは難しい。ですから、自ら市場をつくりあげていくぐらいの気構えが必要でしょう。ただし、当社がカバーできる範囲は限られていますので、新潟市の中央区・西区を中心に限定して、集中的に事業展開しています。

――介護保険外のサービスとはどんなものですか。

皆川●要介護認定者であっても、介護保険制度内のサービスでは解決しない困りごとがたくさんあります。

たとえば、訪問介護サービスに入ろうとした家がゴミ屋敷だったら、社内のご用聞きサービス部門の「ひなた相談所」が対応をしてゴミの片づけをします。
エアコンが壊れたから直してほしいと言われたら、直します。自転車のタイヤがパンクして困っていると聞けば、修理します。

高齢者の生活の困りごとをなんでも解決できるようにするために、ヤマダ電機など家電量販店などとも提携して、サービス体制を整えているのです。
高齢者の利便性を考えると、ワンストップで困りごとが解決したほうが皆様に喜ばれます。

さらに、ヘルパーやサービス提供責任者も、介護保険では対応できない困りごとに対して積極的に関与するようになってきています。
それまでは、利用者に相談されても、「介護保険ではできないから……」と対応しないでいたことが、「ご用聞きサービスに確認しますね」と返すことができるようになる。
利用者も悩みが解消されるので満足しますし、職員も利用者の悩み解決を支援でき、やりがいを感じられる。

新しい事業を行うことで、業務の幅も広がりますし、職員のモチベーション向上にもつなげることができるのです。

――介護における経営、社会的価値と経済的価値の両立といったことを職員にどう伝えていますか。

皆川●なかなか職員全員に経営の重要性などを直接伝えることは難しいことですね。個別に、コーチングというかたちで一部の人には少しずつ対話し、効果も出てきています。
私がコーチングした人たちが、次の人をコーチングするようなかたちにしていきたいです。

経営については全員に深いところまでの理解を求めるのは無理があります。ただ、どういう目的でやっているのか話をすると、目の前が開けたような反応をする人は多くいます。

介護保険制度に縛られることなく、利用者のニーズに応えるための方法を考えて、つなげればいいんだとわかったとき、そしてそれを実践して解決したときに、一気に成長する職員の姿を見るのは楽しいものです。


制作:㈱日本医療企画
取材年月:2021年5月



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PROFILEプロフィール

PROFILE

株式会社メディカル・エージェンシー・ジャパン

代表取締役 皆川 敬(みながわ・たかし)

2010年、住宅型有料老人ホーム「サニーウイング関屋」を開設。新潟市中央区を拠点に「高齢者のお困サニーウイングンストップサービス」実現のため、新たな価値の創造、提供を目指し、老人ホーム、介護保険事業所、診療所、介護保険外事業、飲食ほか、グループ5法人を統括。
新潟県介護サービス事業者協議会事務局長、介護支援専門員、介護福祉経営士1級、(財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ

●株式会社メディカル・エージェンシー・ジャパン (サニーウインググループ)
新潟県新潟市中央区関屋田町1-6-2 
MD関屋ビル
TEL:025-265-1555

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