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<著者>日本クレアス税理士法人 大阪本部会長 上田久之

医療機関に限らず、開業時はさまざまな法的手続きが必要になりますが、特に医療機関は医療法や健康保険法も絡んでくるだけに、一層煩雑になりそうです。保健所への相談はもちろん、設計事務所や行政書士等の専門家の力も上手に活用する必要がありそうです。

目次
01:診療所の開設届など
02:保健所の実地調査
03:その他、各法に基づく手続き

開業時の手続き・法律関係は、医療法、健康保険法、労働法、不動産関連法、税法等各方面の手続きが多数あります。


①診療所の開設届など

医療機関特有の重要な手続きとして、医療法、健康保険に関する手続きが挙げられます。流れとしては、まず保健所へ事前相談に行き、指導を受けて、診療所開設届を診療所開設後10日以内に、保健所へ提出します。その後、保健所の実地調査終了後、各地方の厚生局へ保険医療機関指定申請書を、指定を受ける希望月の前月の定められた日までに提出します。

②保健所の実地調査

診療所の開設は病院のような許可制ではなく、届出で済みますが、保険医療機関の指定を受けて、開業するためには、保健所の検査が必要です。いかにスムーズに検査をパスするかが、手続きのポイントになります。実地調査を無事にパスするために、ぶっつけ本番ではなく、事前に保健所に相談に行き指導を受けることになります。建築や内装工事をする前に、図面を持参してレイアウトに問題がないかについて指導を受けます。また、開設スケジュールや広告の仕方、診療所の名称などについても相談することがあります。

その後、開設届を提出すると、実地調査の日程を、厚生局への指定申請の締切日を考慮しながら決定します。

実地調査時には、開設者等の立ち会いのもと、当初持参したレイアウトどおりに建築や内装ができあがっているか、水道関係、消化設備の確認等が行われます。

立入り検査の結果、何らかの指摘や指導があった場合は、改善を要求されることがあります。実際には、放射線の関係や、医薬品の管理、個人情報の取扱いなどに関する事項で、多くの指摘が行われています。検査を滞りなくパスするためには、診療所の設計に慣れている設計事務所や工務店の採用、行政手続きに詳しい行政書士等の専門家の活用をお薦めしています。

③その他、各法に基づく手続き

その他、生活保護法の医療を取り扱うためには、福祉事務所等へ生活保護法指定医療機関指定申請書を、労災医療機関の指定を受けるためには、労働基準監督署へ労働保険指定医療機関指定申請書を提出します。労働関係では、ハローワーク、労働基準監督署への届出が必要です。税務署関係では、青色申告書を選択しなければ、損失が出た場合の翌年繰越や青色専従者給与の支給ができないので、あわせて届出が必要です。


監修:㈱日本医療企画

制作年月:20223


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PROFILEプロフィール

PROFILE

日本クレアス税理士法人 大阪本部会長

上田久之(うえだ・ひさゆき)
○姫路西高校から神戸大学経営学部会計学科へ。在学中に公認会計士試験に合格。日本の四大監査法人の一角をしめる新日本監査法人を経て、1982年、大阪市中央区にて開業。MMPG全国会常務理事・元歯科部会長、日本歯科医療管理学会会員。

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