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<著者>医療法人一尚会事務長 谷口竜介

新型コロナウイルス感染症の影響で、事務長の方々は院内感染対策やスタッフの危機管理、患者数減によるシフト調整、各種補助金・助成金の申請など、さまざまな対応に追われていることと思います。そうしたなかでも、「事務長がいてよかった」とほめてもらえると、事務長もうれしいです。

そう言っていただける主な理由の一つに、「対応が早い」があります。たとえば、事務長仲間や他院からの新規紹介患者の紹介連絡やMRからの面談依頼、支払基金・国保連合からの算定要件に関する連絡、医師会や保健所、労働基準監督署、人材派遣会社、医療機器メーカーなどからの営業電話、顧問の税理士や社労士からの連絡など、診療所にかかってくる電話は数多くあります。

これらに院長がそのつど対応していては時間がいくらあっても足りません。診療時間内でも院長に代わり対応できるのは、事務長の強みではないでしょうか。また、支払基金や国保連合からの問い合わせは、詳細を把握する人材が対応するほうがよい場合もあります。

「時は金なり」、スピード感ある対応で、早い成果を生み出します。このように、院外からの問い合わせには、まず院長との間に入り要件を精査する人材が必要ではないでしょうか。相談員や看護師、事務でもいいですが、組織方針や院長の意向に沿う働きを求めるならば、事務長が適任でしょう。

とはいえ、どんな仕事も初めから経験なくできるようにはなりません。事務長を育成するのなら、いろいろな仕事をさせ、裁量権、決定権を譲渡し、そのうえで責任を担わせていく──。そして、経営面における院内外の立ち位置も相応にしていただきたい。経営側に立たせることで、診療所経営がどう成り立っているのかがわかるようになっていきます。

また、管理職に就かせることで、経営に対し第三者目線(労働者)から当事者目線(経営者)へと変わっていきます。事務長が経営者としての目線を身につければ、院長も医療に専念できる時間が増やせるのではないでしょうか。

私自身も、さまざまな経験をさせていただきました。在宅医療の開始当初は、地図にマーキングし高齢者施設の営業に行ったり、大阪24区、府下の保健センターをめぐったり、時間外の往診調整も行っていました。

それ以外にも、法人化の際の各種手続き、分院展開やクレーム処理に加え、職員が40人を超えるまで社労士と契約していなかったため、給与計算、明細書発行、振込、所得税の支払い、入退職時の雇用保険・医療保険・年金保険などの加入手続きや資格喪失届、離職届の作成……。6月の年度更新、12月の年末調整、市区町村への源泉徴収票の送付なども担当していました。ほかにも書ききれない仕事が山ほどあります。

他院の院長から、「事務長に何をさせればいいかわからない」と聞かれますが、何でもさせて良いのです。役割が人を育てます! 全国の事務長に役立つ情報を模索し、当会でも有益な交流ができるように私も日々、事務長の職務を味わい尽くしたいと思っています。

制作:㈱日本医療企画

(取材年月:20202月)


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PROFILEプロフィール

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医療法人一尚会事務長

谷口竜介

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