<著者>日本クレアス税理士法人 大阪本部会長 上田久之
患者も増え、所得も安定しているにもかかわらず、思ったほどお金がない……そんな「勘定合って銭足らず」な事態はしばしば起こります。こうした事態を防ぐためにも、支払いや生活資金も踏まえた収支シミュレーションを描き、対策を講じる必要がありそうです。その進め方を解説していただきました。
医院経営を続けていくと、所得は高くなり多額の税金を納めているものの、思ったほどお金が残らないということがしばしば起こります。そこで重要になるのが「キャッシュ(現金)」の管理です。今回は利益だけではなくキャッシュに着目した経営について説明します。
収入は多いが支出も多い
歯科医師の先生は、平均と比べて収入は比較的多いですが、支出についても平均と比べて大きくなることが少なくありません。もちろん、所得が増えたことに伴って税金が増えるという要素もありますが、気持ちに余裕ができ、金遣いが荒くなることが大きな要因です。子どもの学費・医院の設備投資・引退後の生活資金……。考えなければいけない事項は多岐にわたります。
経営シミュレーションの作成
・毎日頑張っているが、思ったほどお金が残らない
・思い通りの人生をおくるためには、どのくらいお金が必要なのか?
・どのくらいの売上高まで頑張れば、必要なお金が残せるのか?
というようなことでお困りの先生は結構多くおられます。これを解決するために経営シミュレーションの作成が有効になります。
経営シミュレーション作成のSTEP
経営シミュレーションの作成については以下のようなSTEPになります。
STEP1 現状把握
「今の状態で残っているお金はいくら?」を算出します。
STEP2 ライフプランから必要資金を出す
ライフプランから、老後資金・教育資金・設備資金・住宅資金などの様々な必要資金を検討し、「そのためには、今年1年でお金をどれだけ残さなければならないのか……?」を算出します。
STEP3 ギャップを見つけて対策を練る
「今年1年でお金を残すために、どれだけ売上高が必要なのか?」
「医院経費や生活費をどれくらい使えるのか?」
などをライフプランから逆算してシミュレーションし、経営計画を作成します。
STEP4 図解で直感的に理解する
シミュレーション結果を図解表示し、会計の知識がなくても簡単に理解できるようにします。経営シミュレーションを作成することにより、院長自身のありたい未来を思い描くとともに、それに向けてどう進んでいくかをご検討いただきたいと思います。
監修:㈱日本医療企画
制作年月:2022年3月
PROFILEプロフィール

日本クレアス税理士法人 大阪本部会長
上田久之(うえだ・ひさゆき)
○姫路西高校から神戸大学経営学部会計学科へ。在学中に公認会計士試験に合格。日本の四大監査法人の一角をしめる新日本監査法人を経て、1982年、大阪市中央区にて開業。MMPG全国会常務理事・元歯科部会長、日本歯科医療管理学会会員。
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