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<著者>株式会社ねこの手 代表取締役 伊藤 亜記


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事業承継には、経営者の子どもや家族に引き継ぐ「親族内での承継」や、一緒に働いて大切に育ててきた信頼できる従業員を、次期後継者として採用する「従業員承継」があります。

このような場合にはそのまま事業を引き継ぐので、行政への変更届を適切に行うとともに、経営者が変わったことを理由も含めきちんと文書をもって利用者やご家族、紹介ケアマネージャーに伝えることで、今までと変わらないサービス提供ができる旨の同意を得やすいので、集客やPRにも混乱は生じないと思います。

しかしながら、第三者(他法人)へと事業を引き継ぐ「他社への事業承継」の場合には、引き継ぐ会社の信頼性や従業員の協力性および事業所の方針などを、利用者やご家族、ケアマネージャーに理解してもらうことが必要です。

事業承継においては「人材不足」を理由に、訪問および通所介護の計画書やモニタリングをケアマネージャーへ適切に提出していないことや、サービス提供責任者および相談員がサービス担当者会議へ参加していないことも多く、承継した法人の管理者等が以前の担当者についての苦情を言われるケースもあります。

買い手側・売り手側の経営陣は、今後どのように進めていくかを話し合ったうえで基本合意書を締結します。

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その後に買い手側が財務・法務・労務状況を明確にするため、自身または代理人(公認会計士、監査法人、弁護士)による監査をするなかで、帳票整備等の介護保険法においての法令遵守が適正でなかったことを知るケースも多々あります。

また職員が利用者やケアマネージャーに不安な気持ちを話している場合もあるため、集客やPRを通してこれらを払拭しなければなりません。

さらに、以前からその地域で介護事業を行っている法人が事業承継を受ける場合には、既に地域の信用を得ているので比較的スムーズに利用者やご家族、ケアマネージャー等に受け入れてもらえますが、新規参入の法人が事業承継をされる場合には利用者やご家族、ケアマネージャーに新たに受け入れてもらう必要がありますので、これも職員の協力を得ながら実施しなければなりません。

私の経験から申し上げると、進んで真実の声を拝聴し、お詫びする必要があればお詫びし速やかに改善することが、後の信頼と新たなサービスの開発につながります。

集客やPRの際には、過去の経営者がもっていた「集客できなかった」「人材不足だった」などのネガティブなイメージを、新たな事業者に替わることで「サービスの質が向上し、集客や人材不足が解消できた」というポジティブなものに変えるよう、努めていただきたいです。

 


監修:㈱日本医療企画

制作年月:2022年4月


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PROFILEプロフィール

PROFILE

伊藤 亜記 (いとう・あき)

株式会社ねこの手
代表取締役

短大卒業後、出版会社へ入社。祖父母の介護と看取りの経験を機に、社会人入学にて福祉の勉強を始める。1998年、介護福祉士を取得。介護老人保健施設や大手介護事業者を経て、株式会社ねこの手を設立。国内外の介護施設見学ツアーの企画、介護相談、介護事業所の運営・営業サポートなど、精力的に活躍中。

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