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前編はこちら≫トリプル改定まであと2年 介護現場の課題と取り組むべきことを探る-前編-

<取材先> 一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長 斉藤 正行



――介護事業の大規模化を国は進めていると言いますが、実際のところはどうなっているのですか。

斉藤●介護業界でも意見が分かれている議題であり、大規模化というよりは協働といった表現のほうが適切だと言えるでしょう。
制度などの方向性を見ていくと、大規模化・協働化の流れに動いているのがわかります。

とはいえ、それは決して大規模な事業者をより高く評価する方向に向かっている、ということではありません。
むしろ、規模の違いによって、それぞれの事業者が特性を活かしたサービスを提供し、質や専門性の高さでサービス競争が働くようにしていくことを目指していると考えられます。

たとえば、大規模な事業者は、規模の経済を活かして、データ・ノウハウの蓄積を最大化し、分析するといったことに注力する。
一方で、小規模な事業者は大規模な事業者が対応できないきめ細やかさやクオリティにこだわり、専門性を強化していくことで、差別化を図るということです。

そのなかで、人材の育成などを協働で行っていく、ということは必要だと思いますし、その点については国にはサポートをしていただきたいと思います。


――介護の産業化とは、どういうことを意味するのでしょうか?


斉藤
●健全なサービス競争が働く環境をつくるということです。
現状では、利用者からは大規模・小規模問わず、個々の介護事業者の違いが見えづらい状態です。

そのため、必ずしも「質の高いサービスを提供しているから」という理由で利用者が集まっているわけではないケースも散見されます。
介護は利用者の命を預かる職場だからこそ、しっかりした知識を身に付け、質の高いサービスが提供できる職員がいるかどうかを、利用者側がわかるようにしなければなりません。

そのため、そうしたサービスの質などを定量評価し、利用者がそれをもとに選択できるようにしていけるようにしていくことが求められます。
自立支援や科学的介護に力を入れていくといった方向性は、このような質の評価や見える化につながるものです。

介護事業者の立場を守ることも大切ですが、それと同時に利用者の視点に立って、介護の産業化を進める意味を考えることも重要です。



――要介護度が下がると報酬も下がるなど、状態を良くしたことが適正に評価されていないなど、制度に対して懸念を示す声も少なくありません。


斉藤
●その点に関しては、前回の改定により道筋がつけられたと考えられます。

その中心となるのがLIFE(科学的介護情報システム)です。LIFE=質ではないのですが、定量化のひとつにLIFEがなってきます。

とはいえ、介護事業者が考えなければならないのは、利用者のQOLです。QOLの向上がないままにLIFEを導入したところで意味はありません。

LIFE自体は、現状ではフィードバックの質も良くないと言われていますが、一方でLIFEの導入によりアセスメントの質が高まっているという声も少なくありません。

これは、ケアマネジメントの質が高まることにもつながります。そのうえでは、アセスメントを適正にとることができるような職場環境に変えていかなければなりません。
本質的なアウトカムに評価がつくようになると、適正なアセスメントができていないところは、適正なフィードバックも出てこなくなるため、ケアの質向上が叶わなくなってしまいます。

生産性の向上によって、アセスメントを適正にできる時間を確保することができ、質の高いケアの向上につながっていくのだということを、利用者や職員、地域の人に理解してもらい、働き方を変えていくということが大切です。

すぐにできることではないと思いますが、今の苦しい状況がどう変わるのかを伝え、変えるために何をしなければいけないのかを伝えていきましょう。



(取材年月:2022年6月)



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PROFILEプロフィール

PROFILE

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長 斉藤 正行

(さいとう・まさゆき)●1978年、奈良県生駒市生まれ。2000年に立命館大学を卒業後、株式会社ベンチャーリンク、メディカル・ケア・サービス株式会社、株式会社日本介護福祉グループで就業。2010年12月、一般社団法人日本介護ベンチャー協会を設立、代表理事に就任。2013年8月に株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立し、代表取締役に就任。2018年2月、株式会社日本介護総研取締役会長に就任。同年6月に一般社団法人日本デイサービス協会理事長、一般社団法人全国介護事業者連盟専務理事・事務局長に就任。2020年6月、一般社団法人全国介護事業者連盟理事長に就任、同年8月に、一般社団法人日本デイサービス協会名誉顧問に就任。

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