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多くの歯科医療機関は予防歯科機能を果たすことが求められる一方、歯科衛生士の採用は大変厳しい状況です。歯科衛生士の定着はきわめて重要な経営課題と言えそうですが、そのポイントとして「安心して働ける労働環境の整備」「歯科衛生士の使命感の充足」が挙げられるようです。

現在、多くの歯科医療機関は、予防歯科の機能を果たすことが求められています。その中でカギを握っているのが、歯科衛生士の採用・教育です。

 

歯科衛生士の求人倍率は現在、一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会などによるとおおよそ20倍程度であり、住居から通勤が近いところを選ぶ傾向も指摘されています。

 

筆者自身のこれまでの経験から言うと、歯科衛生士の採用ではやはり「職場環境の整備」が重要で、

▽社会保険の完備(健保・厚生)
▽賠償責任保険
▽有給の消化率
▽福利厚生

なかでも
▽産休・育休の制度の充実
▽セミナー・研修の受講支援

――等を挙げることができる。

 

教育体制の整備や、それらを通じたやりがいの熟成も重要です。
先輩から後輩への教育すなわち、1年後に自分がどうなっているのかを肌で感じられるような職場環境の整備、また歯科医を中心とする診療チームのなかで、自分がいかに技術をあげ、自分がチームのなかで貢献できていくかを感じていけるかが大切です。

 
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予防歯科の充実は、衛生士が自ら患者様を長期的に担当し、信頼関係を構築していく体制を構築することにつながります。
自らを信頼し頼ってくれる人々への口腔内を守り、健康を守る仕事という認識を熟成し、やりがいを持ってもらえます。予防歯科の場合、それこそ親子3代を診るというケースもあり、家族ぐるみになる場合もあり、患者様から信頼を得ることができるということになります。長期勤務すなわち離職率の低下につながっていくでしょう。

 

歯科衛生士に限らず、マズローの欲求5段階説「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」のうち、最も高い位置にある「承認欲求」「自己実現の欲求」を、医院のなかで満たしていくような組織を構築していくかが重要ですが、そこでは今お話ししたこと以外に、院長先生が、「スタッフを大切に思っている」ということが、スタッフに感じ取ることができる施策を行っていくことも欠かせません。

衛生士さんに限らず職員の離職率の低下にもつながり、地域にも必要とされる歯科医院が構築できると思います。

著者:坂田信及 社会保険労務士・医療経営士
掲載日:2022年10月


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PROFILEプロフィール

PROFILE

社会保険労務士・医療経営士

坂田信及(さかた・のぶたか)
●1960年生まれ。大学後、綜合警備保障(現ALSOK)に入社し、警備・総務関係に従事、その後、親族の関係で、医療機関・歯科診療所の事務・労務・採用関係に従事し、現在までおおよそ30年程度人事課長・事務長として、立ち上げのスタートアップ・立て直し等に従事。2018年社会保険労務士に登録、医療歯科に強い社会保険労務士として、開業支援・労務相談等に取り組んでいる。

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