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厚労省が地域包括ケアシステムの更なる深化・推進で論点提示


2024年度からの「第9期介護保険事業(支援)計画」に向けた議論で、厚生労働省は11月14日の社会保障審議会・介護保険部会に、「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進」に関する論点を提示した。

訪問や通所の複数の在宅サービスを組み合わせた新たな複合型サービスや、介護サービス事業者が経営情報を定期的に都道府県知事に届け出る仕組みの創設などを検討課題に挙げた。

地域包括ケアシステムの深化・推進に関する議論は、(1)生活を支える介護サービス基盤の整備(2)様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現(3)保険者機能の強化-を軸に進められている。

このうち「生活を支える介護サービス基盤の整備で厚労省は、特に85歳以上人口の急増が見込まれる都市部において居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、複数の在宅サービス(訪問・通所)を組み合わせて提供する複合型サービスの新設を論点として提示。既存の定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護などのように機能が類似・重複しているサービスの将来的な整理・統合を見据えた検討も促した。

介護保険事業(支援)計画で必要なサービス量を見込む際に、病床の機能分化・連携に伴う需要も勘案し、医療計画との整合を図る必要性も指摘した。



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(出典:厚生労働省 第101回社会保障審議会介護保険部会 参考資料より一部抜粋編集)


要介護1・2の特養への特例入所はばらつきが指摘される運用を適正化


要介護1・2の高齢者のうち、やむを得ない事情で在宅生活が困難な高齢者に特別養護老人ホームへの入所を特例的に認める措置(特例入所)にも言及。地域によって運用にばらつきがあることを問題視し、早急に実態を把握した上で運用の適切化を図ることについて検討を求めた。

医療法人に倣って介護サービス事業者にも財務諸表等の経営情報の都道府県知事への定期的な届け出を求める制度を設け、厚生労働大臣がこれら情報のデータベースを整備する案も提示した。


資料2 - コピー.jpg

(出典:厚生労働省 第101回社会保障審議会介護保険部会 参考資料より一部抜粋編集)



様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現」では地域包括支援センターの業務負担軽減を進める観点から、センター以外にも介護予防支援の指定対象を拡大することや、居宅介護支援事業所や小規模多機能型居宅介護事業所といった地域密着型の拠点をブランチやサブセンターとして活用することなどを検討課題に位置づけた。


資料3 - コピー.jpg

(出典:厚生労働省 第101回社会保障審議会介護保険部会 参考資料より一部抜粋編集)



保険者機能の強化」では要介護認定の有効期間の上限(現行は新規・区分変更申請は12カ月、更新認定は48カ月)の延長の是非について、議論を要請。介護認定審査会の運用では、ICTを活用しての実施を認めている新型コロナ対応の特例的取扱いを感染収束後も恒久的な対応として継続することの検討を求めた。

部会は11月中に個別論点に関する議論を終え、12月上旬から取りまとめに向けた議論に入る。



20221114日時点での情報に基づき作成)


\ Point /

第8期で重要視された介護人材確保や業務効率化への更なる推進を


介護保険事業(支援)計画とは、介護保険の理念である高齢者の自立支援・重度化 防止等に向けた各市町村の取組を推進するため、実態把握・課題分析を踏まえ、地域における共通の目標を設定し、関係者間で共有するとともに、その達成に向けた具体的な計画のことであり、保険給付の円滑な実施のため、3年間を1期として策定している。

現在は第8期(2021年度から2023年度まで)であり、2024年度から始まる第9期は、2024年度診療報酬・介護報酬の同時改定とも時期が重なることから、注目を集めている。

ちなみに、第7期の基本指針のポイントは以下の5点であった。

①高齢者の自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化の推進
②「我が事・丸ごと」、地域共生社会の推進
③平成30年度から同時スターとなる医療計画等との整合性の確保
④介護を行う家族への支援や虐待防止対策の推進
⑤「介護離職ゼロ」に向けた、介護をしながら仕事を続けることができるようなサービス基盤の整備


第8期のポイントについては、以下の7点となる。

①2025・2040年を見据えたサービス基盤、人的基盤の整備
②地域共生社会の実現
③介護予防・健康づくり施策の充実・推進(地域支援事業等の効果的な実施)
④有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅に係る都道府県・市町村間の情報連携の強化
⑤認知症施策推進大綱等を踏まえた認知症施策の推進
⑥地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組の強化
⑦災害や感染症対策に係る体制整備


特に、⑥「地域包括ケアシステムを支える介護人材確保および業務効率化の取り組みの強化」は、厚労省が総合的な介護人材確保対策や介護現場革新会議を推進しており、介護保険部会の委員も特に重要視していた。人材確保対策としての介護職員の処遇改善や業務効率化へ繋がるICTの活用等、徐々に進んでいる印象はあるが、更なる推進への計画策定に期待したい。



編集:㈱日本経営
制作年月:2022年11月


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