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<取材先> 株式会社国立メディカルケア(現:株式会社オリヴィエ) ヘルパーステーションひろ


東京都国立市にある株式会社国立メディカルケア(現:株式会社オリヴィエ)は、医療法人社団浩央会国立さくら病院の初代院長が「在宅が一番重要」と考え、2002年に設立し、訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を立ち上げました。その後、2007年にヘルパーステーションがスタートしました。

中途採用・非正規雇用が主流のなか、7年前からは新卒採用・正社員採用に乗り出しています。

目次
01:問題多い介護職経験者の採用 基礎からの人材育成に着手
02:基礎を習得した新卒一期生を後輩を指導できる人材に
03:新卒を育成するメリットとは?

問題多い介護職経験者の採用 基礎からの人材育成に着手


ヘルパーステーションを立ち上げた同社の看護・介護統括部長の清水智惠さんは、看護師として病院で勤務したのち、福祉の専門学校で教鞭をとっていました。

「介護の知識と技術を学んだ学生のほとんどは、卒業後施設に入職するため、在宅で働く人は多くありませんでした。今も、その流れは大きく変わっていないと思います」と経験上、在宅現場での人材確保の難しさを感じていたと話します。

在宅現場を支えるうえで介護職の役割は重要です。この認識から、正社員として介護職を雇用し、在宅現場を十分に理解する介護職を育成し、その人材を活用したヘルパーステーションを開設するのが、清水さんをはじめ同社の経営幹部が当初描いていたビジョンでした。

しかし、集まってきた介護職経験者は、基礎知識が足りないなど質に問題があったことに加え、必ずしも正社員としての雇用を望んでいなかったり、チームの一員としての動きができないなど、足並みが揃わなかったといいます。

「私の力不足なのでは、と悩みました。そこで、マネジメントの経験者を招いて運営を委ねてみましたが、あまりうまくいきませんでした」と、清水さんは振り返ります。

試行錯誤を経て、〝正社員でヘルパーステーションをつくる〟という、もともとのビジョンに立ち返った同社は、清水さんの教職経験を活かし、人材を基礎から育成するべく、新卒の採用へと舵を切りました。


基礎を習得した新卒一期生を後輩を指導できる人材に


福祉を学んだ学生に限らず、一般大卒でも介護に興味のある学生を採用するため、同社は新卒採用サイトを利用しての採用活動を2016年から実施しました。翌年4月の入社から約半年間は先輩のヘルパーに同行し基本的な仕事の流れを学ばせるとともに、ステーション内で技術や知識を基本から清水さんが教えました。

同時に行ったのがマニュアルづくりです。これは、新卒採用一期生の水野香さんと吉良泰幸さんが、日々の業務や教育に基づいてまとめていきました。

加えて、同社が新たに始めたのが、年に一度の症例発表会です。看護師をはじめ社員全員が、1年間に手がけた症例をまとめ、年度初めのミーティングで書類として配布するとともに、発表会で発表を行います。

「一期生の2人はよく頑張ってくれました。新卒でも3〜4年きちんと学べば、管理者になれるほどの実力がつく。これは育成のいい経験値となりました」と、清水さんは眼を細めます。

新卒社員の育成には手応えを感じている同社ですが、「少ないパイのなかで採用し、育てる難しさはあります」と明かします。厳しくなる一方の新卒採用に危機感を覚え、中途採用の検討に入っています。

「一期生の2人は基礎ができているので、年上に対してもものが言えるはず。介護の経験者をきちんと指導し、マネジメントできるようになることが、次の成長へのステップになると思います」と、清水さんは期待を寄せます。

<<主な取り組み>>

〇学部を問わず新卒を募集

福祉系に限定せず、学部を問わずに福祉に興味がある学生を採用しました。水野さんは文学部卒、吉良さんは経済学部卒です。
「まったく知識がなく、きちんと基礎から介護を学びたい、学び続けていきたいと考えていたので、入社後の教育体制は糧になりました」(水野さん)

〇マニュアルづくりを通して学びを確かなものに

一期生の2人が介護業界に詳しいコンサルタント会社に協力してもらいながら、介護の技術や手順についてはもちろん、心構えや会社のルール、利用者にはどういう態度で接するかなどを事細かにまとめています。これが後に続く二期生、三期生を指導する土台となっています。


〇成長の道筋を明らかにする仕掛け

症例発表会など自己研鑽と発表の場を設けていることや、社員に「サービス提供責任者」のポジションを担わせることで、学びを深め、ステップアップする仕組みを見える化しています。



新卒を育成するメリットとは? (看護・介護統括部長 清水智惠さん)


清水:新卒社員を育成して一番感じたのは、社歴による先輩後輩はありますが、職種に対する上下の意識がまったくなかったことです。

先入観がなく、白紙の状態から介護職としてのアイデンティティが育ったため、看護師やケアマネジャーとも臆することなく対等に話ができます。

これこそ私たちが望んでいたことなので、すごく達成感がありました。

(現在は新卒採用は行っていません)


制作:㈱日本医療企画
取材年月:2019年5月


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PROFILEプロフィール

株式会社国立メディカルケアヘルパーステーションひろ

※現在は株式会社オリヴィエに社名変更

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