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前編はこちら:【インタビュー】「東京の子どもを守りたい」22年間走り続けた小児科医 事業承継で地域医療のバトンつなぐ(上)

2021
11月、「ぬきいこどもクリニック」からバトンを受け継ぎ開院したのは整形外科や内科が中心の「健幸クリニック調布国領」。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中で、「地域を大切にしたい」という新旧の思いが一致し、事業承継が実現し、それをきっかけに新たな地域医療の形づくりにも挑戦しています。貫井清孝氏と伊藤拓也氏に今後の展望などを聞きました。

目次
01:なぜ、貫井さんからバトンを受け取ろうと考えたのですか。
02:“地域を重視”波長が合い、事業譲り受けを決意
03:「健幸クリニック調布国領」は、整形外科や内科が中心ですが、承継に戸惑いは、ありませんでしたか。
04:新たな歴史を刻み始めた「健幸クリニック調布国領」様で、今後どのようなことに取り組んでいきたいですか。
05:新たな取り組みで地域に貢献

なぜ、貫井さんからバトンを受け取ろうと考えたのですか。

伊藤 私は医療機器メーカーに20年勤務しており、後半の10年間は介護事業の立ち上げに加わるなど、鹿児島県を除く46都道府県にクライアントがいました。全国を歩いてみて分かったことは、医療機関は、地域それぞれに応じた取り組みが非常に大切ということです。生意気な言い方ですが、そういう医療機関を地域に残さなければいけないという思いから、医療・介護事業のコンサルティングなどを手掛けるアレックを立ち上げました。

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 <「地域に必要な医療機関は残さなければならない」と熱く語る伊藤氏>

“地域を重視”波長が合い、事業譲り受けを決意

事業承継についてCBパートナーズさんから紹介され、貫井先生に、これまでの地域での小児科医としての取り組みや考え方について話をお聞きしながら、我々が目指す方向性と波長が合ったことから、事業を受け継ぐことに決めました。

また、調布市は、私がメーカー勤務時代に、デイサービスの立ち上げに関わり、初めて医療機器というハードではなく、ソフト面でお金をいただいた所で、とても感慨深い所でもありました。そこで地域のお役に立ちたいと考えたのも、ここで開院を決めた理由です。

「健幸クリニック調布国領」は、整形外科や内科が中心ですが、承継に戸惑いは、ありませんでしたか。

貫井氏 コロナ禍の中、小児科以外で、この地域、この建物、この内装を使ってくれる人へ譲ろうと考えていました。ただ常々、思ってきたことは、医療はもう少し患者への責任を持つべきです。

例えば診察し、「毎日30分から1時間ぐらい運動しましょう。1年後、また来てください」と言われる患者さんは少なくありません。しかし、いざ、運動をしようとしても、何をしたらいいのか分からないのが実情です。少し散歩して、スポーツクラブで筋トレして、体を壊してしまう。患者さんそれぞれに合った改善策を一緒に探る努力が必要だと感じています。

伊藤さんが提案されたのはクリニックの下に、自費で運動療法ができる施設を置き、未病の段階から健康に気を配り、もし不安なことがあれば、クリニックで整形外科医などが診る。新たな取り組みで地域の医療に責任を果たそうとしている姿に、共感を覚えました。

伊藤さんが、事業を受け継いでくれるということになり、本当にありがたかったです。

新たな歴史を刻み始めた「健幸クリニック調布国領」様で、今後どのようなことに取り組んでいきたいですか。

貫井氏 今は週1回ですが、「健幸クリニック調布国領」の小児科で子どもたちを診ています。その間に、ここで新たに子どもたちを見守ってくれる先生にバトンを渡していきたいと思っています。先ほど、以前から60歳ぐらいで一線を退こうと思っていたと話をしました。今でもその考えに変わりはないのですが、一般会社のように相談役のような役割で、地域に貢献したいと考えています。

新たな取り組みで地域に貢献

子どもたちの健康を守ることと同時に、親御さんを見守ることも大切なことです。子育てにはマニュアルはありませんが、一方で、子育てに関する情報があふれています。

こうした情報に納得するのではなく、それが正しいのか、子育て中のお母さん・お父さんには大いに悩んでほしい。その時に相談できる存在になれればと、2月から週に一度ですが、土曜日の午後に相談事業を始めました。相談料はいただいていません。新たな事業を通じて、地域に貢献していきたいです。

●伊藤氏 クリニックの名前にある「健幸」には、ウェルビーイング(身体的、社会的、精神的に人々が良好な状態にある)の思いを込めています。「健幸」という考え方を広めていきながら、地域を支えていく医療を展開していきたいと考えています。

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<医療での今後の地域貢献の形について話し合う貫井氏(左)と伊藤氏>

執筆提供:株式会社CBホールディングス

(取材年月:20222月)


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PROFILEプロフィール

PROFILE

医療法人社団あすなろの会

「健幸クリニック調布国領」
貫井淸孝院長

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