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<取材先> ライフケア・グループ 代表取締役 祝嶺良太


現場に権限委譲へ 挑戦する風土醸成


大阪府を中心に、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅「はっぴーらいふ」などを展開するライフケア・グループ(大阪市)。
介護事業の売上高は約43億円(2022年12月期)で、2010年の創業時から連続増収を維持している。介護保険事業にとらわれず、新プロジェクトへ挑戦する手を緩めない。

「中小企業だからこそできることがある」と語る祝嶺良太社長に話を聞いた。


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ライフケア・グループ 祝嶺社長



――主軸の「はっぴーらいふ」は順調に運営数を伸ばしています。

祝嶺:グループ内のライフケア・ビジョン(同)が主に介護事業を担い、事業開始5年でM&Aも含め10拠点、その後も年2、3棟ペースで新設を続けている。現在は26拠点1102室を運営。デイや訪問看護など在宅サービスと合わせて、主に大阪府でドミナント展開している。現在は高齢者住宅が1施設しかないエリアの開拓を狙っているところだ。

既存施設の入居率は95%以上を維持。「入居営業部」を設置して居宅などへの営業を強化し、最近は紹介会社経由の入居を半分程に減らすことができた。今後さらに直接の問い合わせを増やすべく、HPのリニューアルにも注力していく。

加えて、入院率を減らすため、昨年12月から「誤嚥性肺炎での入院ゼロ」に取り組んでいる。入居者が入院する理由のうち、約2割は誤嚥性肺炎だ。口腔体操のマニュアル・動画制作や、訪看による総合的な健康管理、訪問歯科の評価など多方面から誤嚥性肺炎を予防していく。



――安定した収益基盤を築きつつ、介護保険外事業にも積極的

祝嶺:設立当初、不動産・介護・食事の3事業の推進が既定路線だったが、介護事業の実績を積み上げる中で見えてきたニーズを見逃さず、それに応じた新規事業を展開してきた。

アクティブシニアの住まいが十分に供給されていない状況にニーズを感じ、2020年には見守りシステムを完備した賃貸マンション「シニアアップデートマンション」を開発・運営。さらには、そこの入居者と地域住民が交流できる場を提供すべく、NPO法人を立ち上げてコミュニティ形成事業も手掛ける。1階で子ども食堂の開催やヤングケアラー支援をするなど活動の幅を広げている。

他、施設向けの調剤薬局事業も2021年に開始。加えて、有老・デイ・調剤薬局・クリニックを一体化した複合型施設を1月に開設するなど、新しい取り組みに意欲的に取り組んでいる。



――新規事業に慎重な中小企業も多い。なぜ新しいチャレンジが可能なのか


祝嶺:良いアイデアは形にしてアップデートする企業風土が根源にある。それを実現していくためにも、職員750名規模となった今も職員の声を吸い上げることは重要視している。現場職員含め、私と社員とが直接セッションする機会を月1回は設け、ちょっとした提案も「やってみればいい」と背中を押す。できない場合は理由を伝えることも重要だ。

現場への権限委譲を推進しており、昨年4月には組織改編も行った。施設運営を「事業統括本部」に集約。また「新規開発本部」を新設し、その中に新規出店を促進する「開発部」と、新規領域への展開を担う「NVC 研究所」を設置した。

各部署が専門分野に注力することで、スピーディかつ効果的にプロジェクトを進めることが可能。経営の中核メンバーに現場上がりの職員も数名加え、新しい着眼点を得ている。

02.08 「祝ちゃんデー」と称し、職員とコミュニケーションの機会を設ける.jpg「祝ちゃんデー」と称し、職員とコミュニケーションの機会を設ける

――ICTの活用は

祝嶺:
この1月より、全訪問介護事業所においてLINEアプリを活用した記録システムを導入。紙の全撤廃を目指している。毎日10~4分を記録業務に要していたが、3分の1で済むようになり、ケアに注力する体制を再構築できている。

また、ジーコム(東京都大田区)のナースコールと見守り機能を一体化したシステムの開発にも協力。シニアアップデートマンションではベッドセンサーや浴槽排水での見守りは行ってきたが、それ以外のリビングなどの見守りは課題だった。居室全体を見守るべく、ミリ波レーダーを使ってデータを取得し、精度を上げている。



――今後の展開は

祝嶺:
業績は堅調に推移しているが、売上のみを追っているわけではない。介護保険事業一辺倒ではなく、リソースを活かしてほかの事業にも着手していく構想。例えば、ICTのデータを活用した大学との共同研究や、認知症予防に関するベンチャー企業とのタイアップなど、さらなる領域に向け動いている。

介護業界は大規模化・協働化が求められ、大手志向が進む中でも、地域の中小企業だからこそできることがある。機動力を持って挑戦していくことに、我々のような中小企業の存在意義があるのではないか。




制作:高齢者住宅新聞社
制作年月:2023年2月


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PROFILEプロフィール

PROFILE

ライフケア・グループ 代表取締役 祝嶺良太

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