<取材先> SOMPOケア ハッピーデイズ入間
近年、「eスポーツ*」を活用して高齢者の健康増進に取り組む活動が、各地で広がりつつあります。ゲームで指先や頭を使うことにより認知機能も向上し、フレイル予防にも効果があるとされ注目を集めているのです。
このような流れの中で、介護レクリエーションとしてeスポーツを取り入れる動きも出てきています。
今回は、同施設にて行われたeスポーツ体験会の様子をご紹介していきます。
*eスポーツとは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えた言葉のこと
デイサービスでeスポーツ体験
2023年1月25日、SOMPOケア(東京都)が運営するデイサービス「SOMPOケア ハッピーデイズ入間」にて、NTTe-Sports(東京都)による企画・運営のもと『太鼓の達人 Nintendo Switch ば~じょん! (C)BANDAI NAMUCO Entertainment Inc.』を使用したゲーミングレクリエーションの体験会が実施されました。
今回使用するゲームは、音楽に合わせて太鼓を模したコントローラーをバチで叩くというリズムゲームです。
午後のレクリエーションの時間となり、計16名の参加者による体験会がスタートしました。
まずは、準備体操として上肢を中心に体を動かします。歌を歌いながら手を広げたり、歌詞に合わせてじゃんけんを続けるなどして体をほぐしていきます。
(合唱しながら体操を行う様子)
続いて、講師の方によるレクの遊び方の説明と事前練習です。参加者の方々にはまず練習用のバチが配られ、ルール説明を聞きながら実際に太鼓を叩く動きを練習します。
最初は「eスポーツ」という聞き慣れない単語に戸惑う様子も見られましたが、実戦練習を通して、リズムゲームを使ったレクリエーションというイメージを掴むことができたようです。
(講師によるルール説明を聞きながら、ゲームの練習を行う参加者たち)
高齢者も夢中でゲームを楽しむ
実際にゲームに挑戦してみると、音楽に合わせて夢中で太鼓を叩く参加者の方々の姿が。
観戦している方々もリズムに合わせてバチを振っており、プレイヤーと一体となって全員で楽しむ様子が印象的でした。
(真剣な表情でゲームをプレイする参加者たち)
(周りの観戦者も一緒に楽しむ様子)
プレイ終了後には各自得点が表示されるため、「もっといい点数を取りたかった」と悔しがる様子も。
「ゲームは初めてで、できるか不安」「緊張する」と言っていた方も、プレイ終了後には「楽しかった!」と笑顔に。今回のリズムゲームは複雑な操作が必要なく、「太鼓を叩く」という動作も親しみやすかったのではないでしょうか。
30分程度レクリエーションを楽しんだ後は、ストレッチを行い再び体をほぐします。
(ゲーム終了後には全員でストレッチ)
eスポーツは世代を問わず取り組める
こうして盛況のうちに終わったレクリエーション。ゲーム終了後の参加者へのインタビューでは、eスポーツに対してのポジティブな感想が目立ちました。
・簡単そうに見えて、意外と頭を使うと思った
・全員参加で楽しくできたように思う
・昔太鼓をやっていたので楽しくプレイできた
・プレイしていくうちに、どんどん楽しくなった
・あまり経験できないことなので参考になった
・頭と体を両方使えて楽しかった など
「また参加したい」という声も多くあり、レクリエーションとしてeスポーツを楽しむことができたようです。
eスポーツは、年齢や性別、運動能力などに関係なく、等しく競い合えるスポーツです。
実際に今回の体験会では、最年長で90歳の方がいたり、車椅子の方も参加されていましたが、他の参加者の方と同じようにゲームを楽しまれていました。
また、「頭や体を使う」という声もあったように、画面に表示される動きに合わせて自らの体を動かすため、認知機能を鍛える効果が期待できます。
友人を誘って参加してみる・孫と一緒にプレイしてみるなどの発展性もあり、参加者同士で交流しながら楽しむことで、コミュニケーションツールとしても活用できるのです。
今後、eスポーツを活用したレクリエーションが広く浸透していくことで、レクリエーション内容のマンネリ化や新ネタの考案といった悩みを抱える介護施設においても、有効的なツールとなるのではないでしょうか。
制作:芙蓉総合リース株式会社
取材年月:2023年1月
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