• Facebook
  • Twitter
  • LINE

<取材先> 医療法人社団佐々木クリニック 泌尿器科・小児泌尿器科 白柳 慶之 院長

来院経路や患者の声を分析集患戦略を定期的に見直す

医療法人社団佐々木クリニック泌尿器科・小児泌尿器科は、全国でも稀な小児泌尿器科を標榜する診療所です。

白柳慶之院長は以前、小児泌尿器科の専門医として小児科の専門病院で勤務。その際、小児泌尿器領域の患者で夜尿症や昼間尿失禁で困っている患者が多くいたこと、また、小児泌尿器科疾患を抱えて成人した、いわゆるキャリーオーバーの患者を受け入れられる医療機関が限られていたことなどから、そういった患者の受け皿となる診療所をつくりたいと思い、2014年、小平市に同院を開業しました。


しかし、これまで小児泌尿器科の外来診療に特化した診療所がまったくなかったため、患者数の見込みは未知数でした。それに加え、開業資金はもちろん、経営が軌道に乗るまでの経済的負担は大きい。それでも開業に踏み切れたのは、2つの理由があると白柳院長は振り返ります。


1
つは、ゼロからの新規開業のリスクを避けたこと。もともと白柳院長夫人の実家は小平市で40年続く耳鼻科であり、約10年前に夫人が承継していた。そこで、その医療法人グループの傘下で開業し、スタッフも共有することで、新規開業にかかる経済的負担を軽減できたといいます。


もう1つが、近隣の中核病院である公立昭和病院との病診連携に注力したことです。開業前の半年間、白柳院長が同院に勤め、太いパイプをつなげてから開業したことで、現在でも入院が必要な患者に同院の手術室や開放病床を活用することができていました。


「泌尿器科は外科領域ですので何らかの処置や手術が必要なケースが少なくありません。しかし、診療所で設備を揃えるにはどうしても限界があります。そのため、信頼できる病院とのつながりはとても重要です。現在も休診日には非常勤医師として勤務していますので、病院の医師とは顔の見える関係性ができています。また、当院の患者さんの手術を私が執刀することで継続性のある治療につながり、患者さんの安心感にもつながっています。泌尿器科にとって、病診連携は医療の質を担保するうえでも非常に重要な取り組みです」

shuzutu.JPGまた、ニッチな領域だからこそ、集患戦略にも余念がありません。自院の来院経路や契機などの患者の詳細なデータを収集・分析し、マーケティングに反映させています。


たとえば、18年度の受診契機はインターネットが45%で看板広告が5%でした。そのため3つあった看板広告の数を1つに削減。WEBサイトの充実にも力を入れ、夜尿症・おねしょについて、症状やリスク、治療法に関する詳細な情報を掲載しているほか、同院で治療を受けた患者からのアンケートや生の声を発信し、常に情報をアップデートしています。


そういった取り組みが功を奏し、同院の患者数は1日約70人。一般泌尿器科では15歳以下の患者の比率が34%に対し、同院は40%といった数字を出しています。

 

自らがモデルケースとなり小児泌尿器科の普及を目指す

小児泌尿器科という特定領域への専門特化戦略によって一定の成果をあげている同院。しかし、一番重要な目的は、増患による黒字化ではなく、学会等での評価と認知度の向上。それを受けて、後進が出てくることが一番重要だと白柳院長は話します。

「小児科泌尿器科の認知度を高め、フィールドを広げていくことが私の役割です。私はそのファーストペンギンになりたいのです。そのため、今後は学会などに頻繁に顔を出し、メディアにも積極的に出演していきたいと考えています」


開業から5年半、白柳院長の活動も徐々に評価され、学会等での講演も依頼されています。

「これは、私の活動に興味を持ってくれている証でもあります。しかし、目指すところはまだまだ遠い。今は階段の2段目くらいです」


また、これまで積み上げてきた同院の患者のデータや、それに基づいて実践してきた集患方法などを、今後開業を志す泌尿器科や小児泌尿器科の若い専門医たちに伝えていき、経営をサポートしていきたいと白柳院長。


「小児泌尿器科専門の診療所を増やしていくことで、小児泌尿器科医療全体の質の底上げにつなげていきたいと考えています」

 

【医療法人社団佐々木クリニックの戦略ポイント】

①新規開業のリスクを軽減

医療法人グループの傘下で開業したうえで、他診療所の事務マネジメントを白柳院長が担い、また、スタッフを共有することで開業にかかる経済的負担を軽減させた

 

②病診連携を強化

連携病院と顔の見える関係性を築き、患者にスムーズで質の高い医療が提供できる体制を構築した

 

③専門治療の認知度を高め、後進を育成

学会などで講演を行うほか、メディアにも積極的に出演して知名度を上げるよう努めている

 

監修:日本医療企画

取材年月:20204


ランキング.jpg202208 サムネ 1.jpg2202208 サムネ - .jpg202208 サムネ - 3.jpg202208 サムネ - コピー.jpg

PROFILEプロフィール

PROFILE

医療法人社団佐々木クリニック 泌尿器科・小児泌尿器科

白柳 慶之 院長

URL

関連サービス

👉「開業ローン」をお考えの方 シャープファイナンス(開業ローン)

担保に依存せず、事業性を重視した審査を行い、リースもご融資もひとつの窓口でスピーディな手続きを実現します。
事業拡大時の資金調達をご検討の方は豊富な取引実績がある(医科/22,000件、歯科/約28,000件)シャープファイナンス【芙蓉リースグループ】に是非ご相談ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE