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<著者> 株式会社ねこの手 代表取締役 伊藤亜記



介護事業においては、サービスによって設置すべき設備や広さなどが決められています。以下では、大枠を説明します。

目次
01:訪問介護の設備基準
02:通所介護の設備基準

01訪問介護の設備基準

事務室

広さの規定はありませんが、訪問介護の事務が行える机が1つ以上確保されていなければなりません。また個人情報等を保管するための措置として、鍵のかかる書庫の設置も必要となります。


相談室

・利用申し込みの受け付け、相談等に対応するのに適切なスペースが確保されている
・相談等に対応するために机やいすの配置がある
・利用者およびその家族のプライバシー確保のため、個室またはパーティション等(高さの目安は170㎝程度、カーテンは不可)で囲われて外部からの視線を遮断できる形状・しつらえであること


手洗い設備

衛生に関する設備として手洗いができる洗面所が必要です。

やむなく共用する場合には、
・感染症予防対策をとっているのか
・共用の状況を確認し、適切に使用できるか
上記2点をポイントに、感染予防に必要な手洗い、うがいができる設備と液体石鹸、消毒液、タオルやペーパータオル等も設置しなければなりません。

なお、同一建物内にトイレがあったとしても、同一建物内の飲食店の利用客も使うなど不特定多数の人が使用する場所は適切ではないため、再検討していただく場合があることも踏まえ、物件を選ぶようにします。


その他

固定電話と携帯電話、FAX、パソコンとプリンター、訪問に際して利用する事業所専用の自動車・自転車(電動であればなお良い)も準備する必要があり、それらを駐車する駐車場と駐輪場の確保も必要になります。

02通所介護の設備基準

全体

食堂・機能訓練室・静養室・相談室・事務室・トイレ・手洗い・厨房(食事を調理して提供する場合)・浴室(入浴サービスを提供する場合)


食堂・機能訓練室

それぞれ必要な広さを有し、内法により測定し1人あたり3㎡×利用定員以上の面積を確保してください。

また、それぞれにおいて支障がなければ同一の場所とすることができます。狭隘な部屋・スペースを合わせて面積を確保することはできません。


面積に算入できない部分

・他設備(静養室や事務室、玄関部分、通路・廊下部分、厨房、事務スペース、出入口のスロープなど、利用者の円滑な移動のために傾斜が付けられている部分 等)

・他事業(当該単位と別単位の場合も含む)の利用者等が食堂および機能訓練室内を通る構造の場合の当該通路部分

・利用者が機能訓練等に使用できない部分(冷蔵庫や棚等サービス提供のために利用者が直接使用しない什器等がある場合は、当該スペースは面積から除く)

・当該建物における通路・廊下部分については、原則として食堂および機能訓練室の面積に算入できません。利用者が機能訓練の一環として歩行訓練等に使用する場合も同様。

・利用定員分の机やいす等を配置すること(机は、サービス提供内容によりなくても可)

静養室

・静養室は、個室またはカーテン等で仕切られた形状であり、静養できる設備であること
・休養が必要になった利用者が適時休めるよう、同一フロアにあるなど利用しやすい場所に設置すること
※ベッドだけでなく利用者が静養できる設備として布団等の設置も必要です。

相談室

・利用者およびその家族のプライバシー確保のため、個室またはパーティション等
(高さの目安は170㎝程度、カーテンは不可)で囲われて外部からの視線を遮断できる形状・しつらえであること
・相談を受け付けるための設備(机・いす等)の設置が必要

事務室

・同一法人の他事業(介護保険外事業含む)と事務室が同一の場合、通所介護事業専用の事務机1以上確保されていること ※事業を運営するための事務室が必要です。

トイレ・手洗い

衛生に関する設備として手洗いができる洗面所が必要です。感染予防に必要な手洗い、うがいができる設備と液体石鹸、消毒液、タオルやペーパータオル等を設置しなければなりません。

ただし、認知症の方などのご利用の場合には、誤飲の可能性があるため、液体石鹸、消毒液は、利用される際に設置するように事故防止の配慮も必要です。

要介護者が安全かつ衛生的に使用できるものであることが求められます。


浴室

(入浴介助を行う場合)十分な脱衣スペースを設けるなど、要介護者が安全かつ適切に入浴し、介助できる設備であること

キッチン

・昼食の提供等で厨房を使用する場合、厨房を設置すること
・厨房は衛生的に使用できるものであること
・厨房・キッチンとして従業者が使用するスペースは、食堂・機能訓練室の面積には算入できないこと。

駐車場・送迎スペース

・送迎車を保有する場合には、適切な駐車スペースを確保すること(事業所所在地外でも可)
・送迎スペースについては、道路交通法を遵守し、交通・往来の妨げにならないものであること。また、利用者が安全に乗降できるスペースであること

個人情報保管のための設備

個人情報等を適切に保管するための設備として、施錠できる書庫を設置すること


その他

固定電話と携帯電話、FAX、パソコンとプリンター


なお、主なリース対象は下記となりますので、費用対効果もご確認の上、リースか購入かをご検討ください。

主なリース対象

・情報機器関連(パソコン、サーバー、プリンタ、ソフトウェア)

・事務用機器関連(コピー機、シュレッダー)

・輸送機器関連(自動車、福祉車輌)


介護事業においては、介護給付のシステムを活用して、請求業務など行っていますが、入職した職員が使い慣れないシステム会社のシステムを使うと介護報酬改定対応が遅い、月末月初の給付時期にシステムに入れずに業務に支障が出ているというケースもあります。

またシステムのリース価格の違いもあります。

リース期間内には保守、更新の管理も行う必要もあり、入職者へその都度、システムの操作説明が必要になります。システム会社へ支払う費用がかかりますので、何回まで無料でシステム操作説明をしてくれるのかの交渉も、その後の運営に必要となるでしょう。

ITガイドラインに沿って適切な運用が行われるように、たとえば外部へのPCの持ち出しやUSBの取り扱いが曖昧にならないよう、運用規定の整備も個人情報保護法の遵守において、重要です。

メールも個人アドレスかグループアドレスかの設定と、必要に応じて個人と代表アドレスを使い分ける運用ルールも決める必要があります。

またWi-Fi環境なども整備をされないと、給付の際や外部研修受講の際において業務上で支障が起き得ますので、注意してください。

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2021年度介護報酬改定では、LIFEの導入も始まり、LIFE対応のシステムであるかも、加算取得の収益増収には重要です。

今やシステムは、介護給付だけができれば良いのではなく、ICT化に伴う介護記録の入力だけでなく、アセスメント、通所・訪問介護計画書、モニタリングも一元管理がコンプライアンス上望ましいと言われています。


さらに、開設のタイミングにもよりますが、補助金が活用できる場合には活用したほうが良いと思いますので、システム会社にも早めに相談するようにしてください。

開設後の適切な運営に介護システムの運用もご確認いただき、職員が末永く安心して働ける環境をつくっていただけければ幸いです。



監修:㈱日本医療企画

制作年月:2022年4月


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PROFILEプロフィール

伊藤亜記 (いとう・あき)

株式会社ねこの手
代表取締役

短大卒業後、出版会社へ入社。祖父母の介護と看取りの経験を機に、社会人入学にて福祉の勉強を始める。1998年、介護福祉士を取得。介護老人保健施設や大手介護事業者を経て、株式会社ねこの手を設立。国内外の介護施設見学ツアーの企画、介護相談、介護事業所の運営・営業サポートなど、精力的に活躍中。

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