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<取材先> 株式会社ゆず 代表 川原奨二

前回に引き続き、昨年開業した「小規模多機能型居宅介護事業所とホテルの併設施設」の特徴や今後の展望などについて、運営者である介護事業者ゆず(広島県尾道市)の川原奨二社長へのインタビューを紹介します。

*前回記事はこちら

接遇マナー等が向上する効果も


――介護事業所とホテルを併設することで、どのようなメリットが生じましたか


川原:ホテルには専属スタッフがいません。チェックイン・チェックアウト業務をはじめ、宿泊客の対応は全て小多機のスタッフが行っています。「仕事の様子を第三者に見られている」という意識が生まれます。その結果として、スタッフの接遇力・マナーなどの向上が見られました。

加えて、スタッフの採用活動も順調に進みました。「ほかの介護事業所とは違う何か面白いことをやっている」という印象を求職者に持ってもらえたことが大きいのではないかと思います。



――小多機の利用者については、どのような影響・メリットがありましたか

川原:利用者が希望すれば、庭の手入れやパジャマのタグ付けなどのホテル業務を手伝うこともできます。場合によってはフロント業務を手伝うこともあります。こうした仕事を通じてADLや認知機能の維持・改善が期待できます。実際に、当社が運営する近くの看護小規模多機能型居宅介護事業所の利用者の中には、ホテルの庭の手入れを続けた結果、要介護認定が外れた人もいます。

今では、有償ボランティアとして、1日3時間ほど働いてもらっています。 ただし、ホテル業務の手伝いは、介護事業所の正式なレクリエーションやリハビリテーションのメニューとして位置付けてはいません。あくまでも利用者の「やりたい」という自由意思を尊重します。



02.22 施設利用者も手入れを手伝う庭.jpg施設利用者も手入れを手伝う庭


02.22 冷蔵庫なども備えられたダイニングキッチン.jpg冷蔵庫なども備えられたダイニングキッチン



――ホテル事業について今後のビジョンは

川原:ホテル事業については門外漢ですので、まだまだ改善すべき点はありますし、発展の余地もあります。新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後に再び増えていくであろうと予想される外国人観光客への対応力強化や、外部の飲食店などと提携しての食事サービスの提供などを考えています。


――ほかに、今後手がける事業があれば教えてください

川原:4月に広島県東広島市で看多機と2ユニットのグループホーム、8部屋のシェアハウスの複合施設の開設を予定しています。シェアハウスの入居者には、看多機やグループホームの仕事を週に3~4日手伝えば、家賃がゼロ(管理費のみ月1万円負担)になるだけでなく、食事を提供するなどの特典を設けていきます。入居者は学生を想定しています。


――なぜ、こうした施設を開業しようと思ったのですか

川原:東広島市は大学が多く、約11万人の人口のうち1割近くが学生です。昨今社会問題になっている「学生の貧困」を解決することが、地域経済にとっても大きなメリットになると考えました。

また、学生に介護助手などの簡単な仕事を手伝ってもらえれば、現場の人手不足が解消できるだけでなく、学生に介護や福祉に興味を持ってもらう機会がつくれます。加えて「学生と高齢者が同じ建物内で生活をすることで、どのようなコミュニティーが形成され、社会にどのような変化が生じるのかを見てみたい」という気持ちもあります。

今後は、介護単体で事業を成り立たせることは難しいと考えています。「介護プラス○○」といった、様々なビジネスとの融合・複合が必須になるでしょう。プレイヤーは当社でなくても構いませんので、こうしたモデルの介護事業所が全国に広がっていくことを期待しています。


制作:高齢者住宅新聞社
取材年月:2023年2月


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PROFILEプロフィール

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株式会社ゆず 代表 川原奨二

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