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<取材先>株式会社クリュートメディカルシステムズ 代表取締役 江口 哲也 社長

過去の調査において、40歳以上の平均5%がり患している可能性があるとされた緑内障。近年の人口統計に当てはめると約500万人が該当すると思われますが、現在、実際に治療中または経過観察の緑内障患者は、100万人程度です。つまり、残りの約400万人は、高リスクまたはすでにり患しているにもかかわらず、眼科を受診していない潜在患者層と言えます。

「緑内障は自覚症状が出にくいため、なかなか受診につながらず放っておかれがちです。しかし、放置すれば当然悪化していく一方なので、かなり悪くなってからようやく眼科に行く人が多い。これが、この病気の一番の課題だと考えています」と、株式会社クリュートメディカルシステムズの江口哲也代表取締役は指摘します。


こうした潜在患者さんを迅速に検査へとつなげ、早期発見・治療へ導いていくことは、眼科診療所にとって重要な役割の一つであり、また、新規患者の獲得やリピーター定着といった経営的観点からも取り組むべきでしょう。


しかし、これに対し、診療所側の課題となるのが、オペレーション整備です。日本眼科学会の「緑内障診療ガイドライン(5)」内フローチャートによると、緑内障は複数の検査を実施した検査所見の総合評価によって診断します。特に、視野検査に関しては、暗室で片目ごとに5~10分程度集中して行う必要があり、患者さんにとっては検査だけでも負担も大きく時間がかかります。

一方、診療所にとっても、患者さんにスタッフがついていなければならないなど、なかなか効率的な実施が難しいのが現状とされています。


そこで、こうした検査の課題を解決し、より気軽に緑内障の視野検査を行えるように開発されたのが、同社の卓上型視機能評価機「アイモvifa」です。



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卓上型視野検査機器で暗室いらず検査時間も大幅に短縮可能

「アイモvifa」の特徴の一つが、「グッドデザインアワード2021」も受賞したスマートで機能的な設計です。本体は、幅20cm×奥行18cm×高さ12cmの卓上設置型で、従来の検査機器と比べて非常にコンパクトになっています。ヘッドマウントディスプレイのような形の機械部分を両目で覗き込むことで、外界からの光を遮断し、暗室でなくても検査できる、画期的なデザインとなっています。

「これまでの視野計は、暗室内で片目ずつ行わなければならず、一度に検査できる人数は限られましたし、所要時間もかかりました。『アイモvifa』であれば、暗室以外にもどこでも設置でき、非常に省スペース化しています」(江口代表取締役)


210908_005 - コピー (2).jpg<暗室不要。設置場所を選ばないため、換気の良い明室でも検査が可能>

さらに、検査プログラムに関しても工夫が凝らされています。たとえば、従来の視野計では、患者ごとに位置の微調整などを行うほか、検査中もスタッフが患者の目の動きなどをチェックする必要がありました。しかし、「アイモvifa」はディスプレイ内のカメラで患者の目の動きなどを検知し、従来は手動で行っていた各種チェックや調整を独自のプログラムが自動で判定してくれます。


「このように、診断精度に影響しない検査過程を機器内で自動化していった結果、所要時間の大幅短縮を実現しました。さらに、検査中にスタッフが患者さんにつきっきりになる必要もなくなるため、スタッフの業務効率や生産性アップも期待できます」と、江口代表取締役は説明します。


imovifa_point_FP - コピー.jpg<両眼解放。アイパッチでの遮蔽が不要で、両眼を開いたまま視野検査が可能>


実際に、一般的な視野検査は1人当たり1520分ほどかかるところ、「アイモvifa」ではわずか3~4分で完了するというから驚きです。

江口代表取締役は、「今後、超高齢社会の進行とともに、緑内障患者の割合はさらに増えていきます」と前置いたうえで、「アイモvifa」が果たす役割を次のように語ります。


「患者さんが増えれば当然必要な検査枠も増えますが、現状の体制では、暗室の回転効率やスタッフのマンパワーに依存するため、検査枠は限られます。そこで、暗室の運用に加えて『アイモvifa』を導入することで、より多くの患者さんへ迅速に検査を提供できる院内オペレーションへつながると考えています」


このように、画期的な緑内障の検査体制に寄与する「アイモvifa」ですが、その開発背景には、同社の度重なる試行錯誤がありました。後編では、そんな「アイモvifa」の開発ストーリーをご紹介します。

操作パネル - コピー.png

「アイモvifaユーザーインターフェース>



取材年月:2022年7月25日
>>後編はこちら「ヘッドマウント型から卓上型へ 患者の“受けやすさ”を最大限追求」


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PROFILEプロフィール

PROFILE

株式会社クリュートメディカルシステムズ 

代表取締役 江口 哲也 社長

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